現場からのクレーム対応(1)/基礎・技術編

現場からのクレーム対応(1)/基礎・技術編現場からのクレーム対応(1)/基礎・技術編
瀧藤 圭一 著
2010年12月01日発売
出版社名:ゼンドラ株式会社
価格:2,100円
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はじめに

「クレーム」
実に嫌なことばです。

風合いが変わった、縮んだ、変色している、毛羽立っている、こんなところにシミはなかった等々、クリーニング店には実に様々なクレームが持ち込まれます。もちろん、クレームはクリーニング処理に対してだけとは限りません。受付の対応や、お渡し時に手間取ったり、約束した仕上がり日に出来上がっていなかったりと、接客や提供するサービスに対しても、クレームは発生します。
できることなら「クレームを出さない」ことがベストですが、いくら技術やサービスをより良いものにして、持ち込まれるクレームの数を減らすことはできても、クレームが無くなることはありません。
というのも、クリーニング店が取り扱う衣服とは、着用状況や保管状態によって大なり小なりダメージを受けているからです。
シルクのブラウスを着てテニスをしたり、水洗いできないウールのセーターを家庭用洗濯機でジャブジャブ洗ったり、とかくクリーニング業界の常識では考えられないことをおこなった結果、汗まみれになったブラウスや、色ナキや縮んだセーターを平気で持ち込んで来たりもします。
また、紫外線や車が吐き出す排気ガス、あるいは酸性雨が人体に対してどれだけの影響を及ぼすか、今さら言うまでもないでしょう。そういった環境の中で着用された衣服だけでなく、たとえタンスに仕舞ってあった衣服でも、まったく影響を受けていないとは考えられません。ましてや、着用してもしなくても経年劣化は確実に起こっています。
そういった目に見えないダメージを受けた衣服さえ、日々クリーニング店に持ち込まれるのですから、トラブルが起こりやすいのも事実なのです。

これまでのクレームであれば、しっかりした対応をおこなうことで、そのお客様はより一層のファンになってもらえます。「あの店なら間違いない。」と言って、多くの人たちに口コミによる宣伝すらおこなってくれます。それは的確な対応によって、お客様が確かな「満足」を得たからに他なりません。まさに「禍を転じて福となす」でしょうか。
しかしその一方で、クレームがトラブルに発展すると、お客様の怒りや不満が一気に爆発します。そうなれば、もつれた糸はそう簡単にほぐすことはできません。またそれが悪意に満ちたクレームとでもなれば、執拗につきまとわれることになるのですから、堪ったものではありません。それだけに、内容にかかわらず、あれこれと悩み続け、憂鬱な気分に陥ります。心が梅雨空のように、どんよりと重苦しい空気に包まれます。クレームはできれば受けたくない、係わりたくない、そして今直ぐにでも逃げ出したい。そんな衝動に駆られます。

だからといって、残念ながらそれらのクレームから逃げることはできません。

クレームは起こるもの。であるなら、そのクレームに立ち向かい、上手に対応していくしか手立てはありません。
ただし、無防備に立ち向かうのか、それともいざという時のために、準備万端整えておくのか、それはあなた次第です。

本書はクレームに対する処方箋を示したものです。しかし、知っての通りクレームは、内容も状況も千差万別。それだけに、すべてのクレームに対処できる完璧な術などありやしません。その上、「ことば」とは難しいもので、「ことば」ひとつで角も立ちます。つまり、人が発する「ことば」は、そのイントネーション、顔の表情、姿勢によって伝えたい真意すら左右されるだけに、本という活字を用いた伝達方法には限りがあることも事実です。
とはいえ、色々なケースや対応策を知っておくことは、来るべき「その時」のために役に立つことに違いありません。

クレーム処理は決して難しいことではありません。

あらかじめ、それぞれの対処法を知っていることが大切です。
つまり、
「備えあれば患えなし」なのです。

本書により、憂鬱なクレーム処理の負担が、少しでも軽減されれば幸いです。

 

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