ユニットショップ経営でもっとも大切なこと。

ユニットショップ経営でもっとも大切なこと。ユニットショップ経営でもっとも大切なこと。
瀧藤 圭一 著
2007年12月01日発売
出版社名:ゼンドラ株式会社
価格:2,940円
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はじめに
長きにわたり、低迷しているクリーニング業界。今、生き残りをかけた熾烈な戦いが始まろうとしています。

クリーニング需要は、平成4年をピークに下がり続け、平成16年には一世帯当たりの年間クリーニング支出額が、とうとう1万円の大台さえ割り込んでしまいました。多くのクリーニング店は、売上げの減少に悩み、迷い、苦しんでいます。
これまでは、景気が少しぐらい悪くなっても、シェアを奪い合いながらも共存はできていました。しかし、これからはそれが難しくなってくるのです。というのも、平成18年から始まると思われていた日本の人口の減少が、1年も早く始まり、これからの日本は、間違いなく人口減少時代を迎えることになるからです。
クリーニングを利用するひと自体が減っていくのですから、クリーニング需要はこれから減少していくことになります。その需要を、数多くのクリーニング店が奪い合うことになるのですから、激しいお客様の争奪戦がおこることは間違いありません。つまり、これから生き残りをかけた椅子取りゲームさながらの、サバイバルゲームが始まるのです。

実はそれはすでに、始まっています。
お客様の要望は多様化し、衣服はより複雑化しています。ほとんどの取次店では、それらお客様の要望に応えきれず、集荷量が極端に減ってきています。その結果、集中工場・取次店方式の処理工場の閉鎖が、そこかしこでおこなわれ、その上、水面下では会社自体を売り渡す、M&Aが進められたりもしています。つまり、これまでクリーニング業界をリードしてきた集中工場・取次店方式は、早晩、その使命を終わろうとしています。
そして、来るべき次の主役とは、お客様の事細かな要望に対してフレキシブルに対応できる、ユニットショップおいて他にありません。
ところが、このユニットショップには、忙しい店もあれば、閑古鳥が鳴いている店もあります。おまけに、ここにきてその差が大きく広がりだしました。クリーニング業界にも、「格差」の波が押し寄せて来たのでしょうか。

本来ユニットショップとは、この集中工場に対抗するために考え出されたクリーニングシステムだったのです。それも日本ではなく、ヨーロッパ、アメリカで生み出された方式でした。その歴史は古く、今から40年も以前に、この方式は稼動を始めました。もちろん、日本に持ち込まれた時には、集中工場に対して十分対抗できるシステムであることは、すでに立証済みだったのです。
つまり、ユニットショップは、戦後の日本の近代クリーニング店からの発展形ではなく、外から、それも海外から持ち込まれた、新しいシステムだったということです。それも、十分な実績を残しているシステムだったのですから、成功するための処方箋が、もうすでに存在していることに他なりません。
にもかかわらず、低迷しているユニットショップがあります。思い悩んでいるユニットショップがあります。すでに処方箋があるのに、です。
ということは、今、ユニットショップと呼ばれているそのほとんどが、実は正確にユニットショップのシステムを学習できていないからに他なりません。だとすれば、あるべきユニットショップを知ることで、業績を回復できるはずです。そして、これから始まる過酷な戦いにも、備えることができるはずです。
サバイバルゲームに勝ち残るには、なにが必要で、なにをどうすればいいか、その戦い方を知っているものが勝ち残ります。つまり、処方箋を知っているものが勝ち残ることになるのです。
淘汰の時代まで、残された時間はあとわずかしかありません。サバイバルゲームに勝ち残るものは誰なのか。

そこに勝ち残るための処方箋、サバイバル戦略が必要になるのです。

 

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